年齢によって心の成長具合は異なる
メンタルトレーニングを行う際に気をつけるべきことは、練習を行う選手の年齢によって心の在り方に大きな違いがあるのを見失いがちであるということです。
経験の少ない中学生を相手にメンタルトレーニングを行う場合は、まず計画を立てて目標達成することの大事さから教えていかなければなりませんし、怒り方にも注意しなければなりません。

高校生になると他人の目を気にしますし、将来を見据えたトレーニングよりも、今勝つための方法を求める子も多いでしょう。また、メンタルトレーニングは現時点ではあまり日本で普及しているとも言えず、子供にとっては聞きなれないものである可能性もあります。彼らの信頼を勝ち得るためには、効果を示すだけでなく十分な科学的根拠を提示して説明する必要があるでしょう。
大学生や社会人ともなると、ある程度は挫折を経験した回数も多いでしょうし、スポーツの楽しさや苦しさを十分に理解しています。言い換えれば彼らにはそれでもスポーツを続けようという意思と覚悟が備わっているのです。
プロや実業団を相手にする場合は、メンタルトレーニングだけでなく、教育心理学や精神医学の成果も積極的に取り入れていくことで、頼りになる指導者であることをアピールしなければ信頼は得られません。選手の方が詳しい可能性だってあるわけですから、手を抜かず注意深く指導を行う態度が必要となってきます。
そういったおおざっぱな傾向を踏まえて、年代別のメンタルトレーニングのやり方を確認していきましょう。