メンタルを身体の状態から探る
メンタルと身体の状態、そして行動は全て連動しています。そこで、身体に現れた汗や周りを気にするような行動からメンタルの状態を逆算してみましょう。
まずは緊張時に身体に現れる傾向を確認してみましょう。以下に列挙する例から、自分に該当するものはいくつ見つかりますか?
- 身体が硬くなる
- 手汗をかく
- 焦点が定まらない
- 心臓の鼓動が早まる
- 唇が渇きやすくなる
- 身体が右斜め前、あるいは左斜め前に倒れる
- どちらかの足の甲に力が入る

個人差はありますが、「緊張時の身体の状態」について多くの人に該当するものを列挙してみました。メンタルトレーニングではこれらの身体の状態を正確に把握し、これを緩和するために次回以降のLessonで語るような緩和策を実施します。
それを繰り返して緊張に対する場数を踏むことがメンタルの強化に極めて重要なのです。
メンタルの状態を行動から探る
さて、次は行動に現れる心理状態についてみていきましょう。不安や迷い、緊張を感じた時の行動として、分かりやすいものを列挙してみると、以下のようになります。
- ベンチなど指導者のいる方をついつい見てしまう
- 走るのに不都合はないのに何度も足場をならしてしまう
- 衣類・身に着けているものの状態が気になり始める
- 現在の得失点差が気になって仕方がなく、スコアボードを見てしまう
- 時間や天候、スケジュールを気にする
- 勝っているはずなのに逆転劇が始まるのではないかと根拠もなく妄想し始める
いかがでしょうか。これらは緊張しているときや考え過ぎのメンタルが引き起こすマイナスの行動です。身体面の特徴と違ってこれらは自分ではなかなか気づけないことなので、指導者やチームメイトが注意を喚起する必要があるでしょう。
「お前、ベンチや時計を気にし過ぎだ」
そう言われたときに「自分が緊張しているのだ」とハッキリ分かればOKです。逆にあなたが指導者の立場である場合は、選手にその心理状態を知らせるために、緊張時の行動をメモしていくと良いでしょう。
そうすると、たとえ緊張や不安が身体面の影響として現れなかったとしても、行動から自分のメンタルを逆算できるようになります。「今、自分は不安を感じているのだ」と理解して落ち着くための対策を打つ、この繰り返しが緊張に強いメンタルを育んでいきます。
次回のLessonでは、身体面の特徴として特に重要な「心拍数」「呼吸数」そして「姿勢」についてお話します。